平成17年度「コミュニティ活動賞」優秀賞受賞

地区計画で、みんなでつくろう住みよいまちを

潮海寺まちづくり推進協議会(菊川市)

発足年度  平成8年(1996年)
メンバー数  34人
活動テーマ  地区計画の推進、歴史保全

昔ながらの狭い道に住宅の建設が進む

 潮海寺地区は、菊川市の中心部JR菊川駅の北約500mにあり、昔は広く名の知られた潮海寺(寺院)を中心に京都風の碁盤の目のような街並みであったと伝えられる歴史があり、祇園まつりなど地域コミュニティのよい地区です。しかし、近年、幅員の狭い市道や農道沿いに住宅建設が進み、このままでは将来的に居住環境が悪化することが予測されました。

まちづくりへの研究会発足

そのため、平成8年5月に各代表が集まり、道路や排水の問題などを話合う「潮海寺地区を考える会」を発足し、毎月1回会合を行いました。平成11年3月に、「潮海寺まちづくり推進協議会」と名前を変え、全地区で取り組むことになりました。そして、高校生以上の全住民に対しアンケート調査を行うことから本格的に活動が始まりました。

全国でも珍しい「地区計画」(写真は、将来広がる道路位置の確認作業)

 平成12年には、協議会員参加で地区の環境点検を行い、基本的な地域のルール案を作成しました。平成13年には、地区計画づくりに向けて班ごとに話合いを行い、地区住民の91%の合意を得るまでになりました。
 平成14年には、住民総出で地域内の交通量調査を行うとともに、班ごとに道路が広がった場合の場所を確認するためのくい打ちなどを行い、将来に向けての準備を進めました。平成15年には広げたい路線・排水路の検討などを行い、地区計画の詳細を検討しました。
 
これらの活動の甲斐あって、平成16年土地区画整理事業などの面整備を行わないで、線的にまちづくりを進める全国でも珍しい「地区計画」が決定されました。これにより、建物新築や増改築には届出が必要になり、無秩序な開発が押さえられるとともに、計画道路位置まで下がって建築することにより、道路の確保ができるようになりました

地域一体でまちづくりルール案づくり(写真は、子どもたちも地区の環境点検に参加)

ハードのまちづくり活動だけでなく、子どもワークショップの開催、夏休みには子ども交流の肝試し・星座観察会、子どもによる地区の歴史探索と協議会員の手作りによる富士宮やきそば大会などを行い、住民の交流が深まりました。
 冬の防災訓練においては、実地さながらの避難訓練を行い、地区住民の88%が参加しました。
 平成17年は、子どもたちに地元のお茶を伝承するための親子おいしいお茶の入れ方教室、生垣に使う苗木の育成、地区の名所「十五坊八景」の草刈り、子どもお楽しみ会などを実施しています。

工夫したこと、苦労したこと

住民が住宅地の増加に対して、道路が細く未整備なことから、消防車が入れないなど、防災上の危機感を抱き、安全でコミュニティ豊かなまちを作ろうと一丸となって活動を行ってきました。地区計画は、自分たちの土地や建物に制限を加えるルールづくりなので、土地所有者(地域住民)が十分な話合いを持ち、お互いが地域の環境を守るため、協カすることを理解し合えるように努カしました 

地区への影響や成果


■協議会員が一丸となって、地道な地域づくり活動を行うことにより、新たに転入した人とのコミュニティが生まれたこと。■まちづくり活動をみんなで盛り上げていこうという機運が一層強まったこと。
■地域内の空き家を利用して、地元有志による学童保育が行われました。
■市の高齢者支援施設に加え、民間の高齢者支援施設が作られ、近所のお年寄りが活用しています。
■緑豊かな地域づくり(緑化推進)。
■歴史と伝統を継承していく活動。
■当初、道路整備など30年、50年先を見越したまちづくり計画を立てていたが、住民の活動に対して、行政の理解が得られ、予想以上に道路整備や公園整備などの動きが生まれてきています
 

これからの活動計画など

住民が住宅地の増加に対して、道路が細く未整備なことから、消防車が入れないなど、防災上の危機感を抱き、安全でコミュニティ豊かなまちを作ろうと一丸となって活動を行ってきました。地区計画は、自分たちの土地や建物に制限を加えるルールづくりなので、土地所有者(地域住民)が十分な話合いを持ち、お互いが地域の環境を守るため、協カすることを理解し合えるように努カしました 


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