「コミュニティ静岡」103号より

いきいきシニア、住民いこいの場づくりに奮闘

いいとこひろばの会(掛川市大和田)

掛川駅から北へ約10`に位置する山間の農村、掛川市大和田地区で、いきいきと活躍する70歳トリオを紹介しましょう。

●シニアトリオ誕生

平成17年6月、地区内を流れる原野谷川の河川敷がサッカー場ができるほどの広さをもちながら、竹や雑草、雑木に覆われ、ゴミが不法投棄されていることに心を痛めていた住民の中山伊太郎さん(いいとこ広場の会々長)は、せめて魚釣りの人たちのためにと、たった一人で河川敷の草刈りを始めました。そんな中山さんの姿に心を打たれた山鹿周治さん(同副会長)、中山良夫さん(同事務局)の二人が加わり、徐々に整備する面積を広げていきました。その作業も、建設機械の扱いの経験のある山鹿さんが重機を運び入れたことで大幅にアップしていきました。

●ここはいいとこ!!

たった3人で始めた作業も徐々に進んでくると、次第に住民の方々も理解を示してくれるようになり、色々な作業に協力してくれるようになったと言います。すると住民の方々は口々に「ここはいいとこだなァー」と……。そこで「いいとこ広場」と名付けられました。今年の3月には県のグリーンバンク提供の桜の苗木100本と花木25本を植え、素敵な広場へと変身。
 この「いいとこ広場」を活用して、早速クリスマスイルミネーション、アマゴ釣り大会、鯉のぼり50匹を広場の空に泳がせるなど、地域住民や地域外の人達に喜ばれ、自然とのふれあいや住民交流の場を提供しています。

●廃材利用の達人

山から水を引き、サイロとして利用されていた廃材を利用して池を作り、そこに稚鮎、あまご、鯉、なまずを飼い、川の脇にはモズクガニを飼っています。みんなが集い、雨がしのげるドーム型のビニールハウスや立て札などもすべて廃材を利用した手作り。これがなかなかの玄人はだしです。

シニア地域参加の見本

「この歳になり(70歳代)初めて自主的に取り組めるものが見つかって、たいへん楽しい」とおっしゃる三人のキラキラとした目は、まさに少年のようでたいへん印象的でした。3人の行動力はまさにコミュニティの原点そのもの。約50世帯の大和田地区の住民の心を動かしたのですから。
 今後は、シイタケ栽培やカブトムシ、蛍の飼育と夢はどんどん膨らみます。そしてより多くの人に利用してもらうためにも、トイレの設置が最大の課題。
 原野谷川を、そして地域を愛し続ける少年のような三人。まさにシニア世代の地域参加の見本といえます。これからも元気でご活躍されることをお祈りします。

レポート・鈴木りえ子(藤枝市)

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