第四地区は、沼津市の中心市街地に位置しているが、狩野川や香貫山を抱え、自然にも恵まれた地区である。しかし、従来の活動は、文化祭や体育祭等を中心とした活動であって、狩野川や香貫山など自然を生かした活動がなかった。そこで、地域の貴重な資源を見直すとともに、多くの人に参加してもらうために親子での参加行事を増やすことを考え、親子香貫山クイズウォーク、親子狩野川はぜ釣り大会、親子さつまいも栽培等を企画、実施することにした。こうして親子での参加行事を増やしたことにより、子どもたちばかりでなく大人も参加するようになり、年々多くの人が参加するようになった。その結果、家族の絆、ひいては地域の絆を深め、活動目標でもある「心のふれあい」、「友情の輪」を広げている。また、地区内の連合自治会、社会福祉協議会、体育協会、青少年を健やかに育てる会など、各種団体等と連携して活動を進めるなど、市民協働活動としての展開にも通じている。 | ![]() |
宮町に住んで、育って良かったという地域にしたい
子育てが一段落した女性や、定年を過ぎた男性など、時間にゆとりが出てきた地域の人達が、自分たちの住む宮町を「住んで、育って良かった」地域にすることを目標に活動している。同クラブが発足した平成16年から地元のお祭りへの協力や企画・運営を通して地域活性化や夏休みの子ども将棋教室を開催、17年からは老人会と合同で正月用のお飾りづくり、小学校の養護学級の支援ボランティア、18年からは小学生の登下校時の見守り活動を毎日行うなど、シニア世代の地域参加の見本のような活動を展開している。また、20年度は富士市との合併を前に歴史写真展を開催するなど、常に新しいことにもチャレンジしている。 祭りを通して、地域の人達の連帯感が高まり、今まで見て見ぬふりをしていた子どもたちともコミュニケーションが生まれたりと、地域参加、社会参加の喜びを味わいながら、新しいコミュニティの形成に向けて大きな貢献している。 |
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路線バスの廃止に伴い高齢者の病院への足がなくなり、高齢者を抱える家庭では、病院通いが大変な負担であった。そこで原田地区生涯学習センターでは、平成3年福祉バスを宝くじの助成金で購入し、地区内から運転ボランティアを募って、原田地区通院車運営委員会を設置して地区全体で高齢者の病院通いを支えることにした。 委員会では、登録者が通う病院とその診察日を考慮した右回り、左回りの行程表を前月までに作り、運転者の手配をし、毎週、月・火・木・金の4日間、市内病院への運行をしている。これは、平成4年5月から開始してすでに17年目を迎えている。19年度まで16年間、一日の欠航もなく、しかも安全運転をモットーに一回の事故もないという。車両も2台目、走行距離は20万余キロの通院者運転ボランティア活動は、地域の高齢者に喜ばれるとともに、子育て支援の「仲良しキッズ」や高齢者支援「元気クラブ」など、地域に他のボランテイア活動を派生させ、他地区でも原田地区のノウハウを参考にして福祉バスが走るようになるなど、その功績は大きい |
平成20年度「コミュニティ活動賞」審査結果
賞 | 市町名 | 集 団 名 | 活動の目標・キャッチフレーズ |
優秀賞 | 沼津市 | 第四地区コミュニティ推進委員会 | 広げよう『心のふれあい』『友情の輪』 ~ゆとりとうるおいのある地域づくり~ |
優秀賞 | 富士市 (旧富士川町) |
宮町ベタークラブ | 宮町に住んで、育って良かったという地域にしたい |
優秀賞 | 掛川市 | 原田地区通院車運営委員会 | 安全運転をモットー |
優良賞 | 沼津市 | 島郷とんび凧の会 | 子どもの居場所づくり 地域の活性化と融和 親睦をはかる |
優良賞 | 富士市 | 富士南地区生涯学習推進会 | 1. 快適な高齢社会をつくるため、生涯学習をさらに推進しよう 2. 安全で、住み良い地域づくりをさらに推進しよう 3. 資源を守るため、環境にやさしい活動を推進しよう |
優良賞 | 富士市 | 鷹岡商工会 女性部 | ひと・まち・未来 輝いて女性部 ~男女共同参画社会をめざし 女性の行動力で~ |
優良賞 | 藤枝市 | 藤枝市田沼南ふれあいサロン 「陽だまりの会」 |
みんなで学び、語り、支え合いましょう「輝くヒマワリの花」 |
優良賞 | 菊川市 | 平川地区コミュニティ協議会 | おもしろがってまちづくり |
優良賞 | 御前崎市 | 白浜区まちづくり委員会 | 史跡を訪ねて健康づくり |
奨励賞 | 御殿場市 | 栢ノ木区グラウンドゴルフ同好会 | コミュニティの中心がグラウンドゴルフ |
奨励賞 | 富士市 | 元吉原地区まちづくり推進会 | 明るく、楽しいまちづくりをめざし、地域の活性化を図る |
奨励賞 | 芝川町 | 西さくらの会 | 地域環境の保持向上と情緒豊かな地域づくりに寄与する |
奨励賞 | 芝川町 | 柚野火まわり隊 | 若い力で、地域の活性化! |
奨励賞 | 牧之原市 | 牧之原市まちづくり実行隊 | 生きがいのある豊かな楽しいまちづくり |
奨励賞 | 御前崎市 | 御前埼灯台を守る会 | 御前埼灯台の歴史・文化の伝承と保存でまちづくり |
奨励賞 | 袋井市 | 松原ホタルの会 | 地域住民とのふれあい、自然環境を守る(夢あるホタルの里) |
奨励賞 | 浜松市 | 〈少女和太鼓〉魁鼓KAIKO・500 | 伝統芸能と礼節を学び、思いやり心を育み、活き活きと心豊かに生きる力を養う |
奨励賞 | 浜松市 | 市野町南自治会環境整備委員会 | 住みよい、住んでよかった、住んでみたい、地域の環境づくり |
奨励賞 | 浜松市 | 天竜ポンポンパトロール隊 | 明るい安心・安全まちづくり天竜(交通・防犯・防災) |
本年は11市町から19集団の応募があった。 近年、少子高齢化の進展、子どもに対する予想もつかないような犯罪の発生、あるいは団塊世代が退職により地域へ回帰するなど地域環境が変化している。そうした状況の中で本年度も多彩な活動内容の応募があり、地域コミュニティの課題に対応すべく県下各地で活発に取組まれていることが感じられた。 応募集団の活動テーマは、「コミュニティ活動全般」が7集団、「快適な生活環境整備」が4集団、「地域の歴史・文化活動」が2集団、「地域福祉活動」が2集団、「スポーツレクリエーション交流」「子育て」「文化活動」「防犯」が各1集団となっていた。例年に比して自治会活動と連携した福祉、環境、子育て、世代間交流等の「コミュニティ活動全般」に取り組む集団からの応募が多く、地域の連携を強めよう、元気にしたいという思いが伝わる。 また、団塊世代の退職に伴い地域デビューが始まり地域のために何かしたいという活動があるなど、時代を反映した応募状況といえる。審査会では、地域性、主体性、モデル性、継続発展性、独創性、開放性を基準において、各審査委員から出された評価点数(10点満点法)を合算して順位を出し、高得点を得た集団を基本とし、審査委員の意見交換を行いながら各賞を選定した。 各委員が重視した視点として、上記評価基準をふまえ、とりわけ地域の連携を深める活動であること、自主的であること、継続性があること、時代に即していること、などそれぞれの委員の見解が紹介された。審査の過程では、各委員より、いずれも甲乙つけがたいとの意見が続出したが、最終的には、上記の意見も加味し、審査員一同真摯に選考を行った結果、別紙の結果となった。 |