御殿場市の南部に位置する神山地区は、近年住宅団地の造成により世帯数が急激に増加し、新旧住民のコミュニケーションの場づくりが大きな課題となっている。そうした中で、同地区では神杜祭典のお囃子の継承や神山夏まつりの開催などで、子どもからお年寄りまで世代を超えて参加できる地域づくりを展開している。そして、その活動の原動力になっているのが、かつては青年団として活躍していた壮年層の仲間、「神山有志の会」である。 同会では、そうした活動に加え、平成8年から市民協働の事業として、市有地で荒れ果てた状態だった「神山城址」を地域の人たちが気軽に憩える場にしようと、里山づくりを計画し、手作りの整備を進めている。整備にあたっては区民参加のワークショップを開催し、住民の意思を反映しながら進めているので、整備には地元自治会、そして多くの住民が協力し、地域ぐるみの活動となっている。子どもたちに自然との共生について考えさせる事が出来た、若い親たちにボランティア活動の達成感を与えることができた、そしてなんといっても住民間のふれあいが深まるなど、地域づくりに大きな成果を上げている。 |
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宮町に住んで、育って良かったという地域にしたい
「やおちちくらぶ」は、「父親が子育てに関心を持ち、子育てに関わっていくことを願って」、掛川市桜木小学校に通学する子どもたちの父親が集まって平成17年に発足。当初はPTAの中にあったが、地域との結びつきを強めたいと19年度から独立。現在、趣旨に賛同したサラリーマンや自営業など17人の会員がいる。 身近な地域の中で、子どもに豊かな経験をさせたいと、2泊3日の「通学合宿」、懐かしい16oフィルムの上映と紙芝居の「真夏の夜のレトロなパーティー」、桜木地区の大自然を満喫する「親子ふれあいウォーク」、老人会の指導による「正月飾りを作ろう」など、様々な催しを企画。「親以外の多くの大人と出会いを作る場であってほしい」、「地域と子どもをつなぐ役目もしていきたい」と、家族のふれあい、地域とのきずなを深めようと、親父パワー全開で奮闘中である。 |
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ブラジルから日本に働きにきて永住することになった萩尾さんは、移民先のブラジルで日本人会を立ち上げ、ブラジル人との交流を図った父親の意思のように、日本人とブラジル人の交流の場を作りたいと平成19年、BOAを立ち上げた。そして、外国の文化を御前崎市民に紹介し、文化・習慣に対する理解を深め、外国籍市民と御前崎市民との交流を図ることを目的に平成19年から「フェスタ・アミーゴ」を毎年開催したり、市役所などの協カで、外国人向けにゴミの種類と分別方法についての説明会を開催したりしている。また、御前崎みなと夏祭りやふれあい広場、御前崎市大産業まつり等のイベントでブラジル料理の販売を行い、積極的に日本との交流を図っている。 協会を立ち上げる際に、相談先等が分からず苦労した、日本のルールに基づいて活動することが大変だったなど苦労もしたが、市内に新たに転入してきたブラジル人の貴重な相談窓口となり、日本人側からの要望でポルトガル語教室を開催するなど、外国字と日本人との共生に橋渡し役として大きな役割を果たしている。 |
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一般的にはまだそれほど「高齢者問題」を取り上げられていなかった昭和60年当時、県内の生活学校メンバーの協カのもと、「高齢者の意識調査」を行った。その結果、お互いの顔が見える地域の中で気軽に集えるいこいの場の開設を、多くの高齢者が望んでいることがわかった。そして63年、「宮竹町健康サロン」が誕生した。これは、全国でも草分け的存在で、以来20年余りにわたって活動が続けられている。現在、こうした高齢者が集うふれあいサロンは、県内のみならず、全国に広がり、自治会、町内会などの小地域の福祉活動としても定着している。 健康サロンは2、30人の高齢者が宮竹町集会所に集まり、午前10時〜午後3時まで、保健師の健康チェック、歌やゲーム、手作りの食事会などで楽しく過ごす。当初は月1回の開設だったが、10年前からは要望に応えて月2回開設となった。「孤独は毒、笑いは薬」、「体験の共有」、「多くの人とふれあいを持とう」、「もったいない心を大切に」のキャッチフレーズに、高齢者と共に生きるまちづくりが展開されている。。 |
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平成21年度「コミュニティ活動賞」審査結果
賞 | 市町名 | 集 団 名 | 活動の目標・キャッチフレーズ |
優秀賞 | 御殿場市 | 神山有志の会 | 里山公園づくりを通し、地域の連帯を図り、新旧住民のコミュニケーションを図る |
掛川市 | 桜木小学校父親の会 やおちちくらぶ | 「家族のふれあいの場の提供」と「家族間の交流」 | |
御前崎市 | ブラジル御前崎協会(BOA) | 日本人との共生と会員相互の助け合い | |
特別賞 | 浜松市 | 宮竹町健康サロン | 高齢者と共に生きるまちづくり |
優良賞 | 沼津市 | 大平郷土史研究会 | ふるさとの歴史を探り、後世に伝承して行こう |
沼津市 | プロジェクト「あしたかのスウィートン」 | であい・ふれあい・わかち合い | |
富士市 | 富士南小おはなし会 | 本やお話しを通して、子ども心の成長の助けとなるように!! | |
静岡市 | 静岡・海辺づくりの会 | 富士山を仰ぐ、美しい静岡海岸・〜出会い・発見・ふれあいの浜辺〜 | |
菊川市 | スリーハートクラブ | 地域につくす、人につくす、自分につくす | |
掛川市 | 掛川市西山口地区福祉協議会 | 1人の百歩より、百人の一歩(奉仕・互助・連帯) | |
御前崎市 | 御前崎市少年少女合唱団 | 合唱を楽しむことにより、理想的な仲間づくりをめざす。地域コミュニティに根ざした活動を行う。 | |
奨励賞 | 清水町 | Eco・DG生ゴミ食いしん坊を育てる会 | 自分達の手で地球を守って行こう!生ゴミが一日で消えてしまった!! |
富士宮市 | 筋トレ応援隊 | 筋トレで目指す健康 増す若さ! | |
芝川町 | しばくさ会 | 「私達の健康は私達の手で」「ボランティアされどボランティア」 | |
藤枝市 | 藤枝駅北・駅南花の会 | 藤枝市の玄関のをきれいにしよう!! | |
袋井市 | 浅羽北公民館成人学級 | 浅羽北地区地震防災力の向上 | |
磐田市 | 大原新町「地域お助け隊」 | 無償で汗をかく | |
御前崎市 | 朝比奈ふれあいの里クラブ | 地域住民の相互のふれあい | |
浜松市 | ガールスカウト日本連盟静岡県支部西部ブロックSCAPP | 精神的、道徳的価値を尊び、進んで奉仕し責任ある市民として、人類の平和と幸福につくすことのできる人に育つよう、自ら学ぶたのしい機会を与えること。「そなえよつねに」 |
今年は14市町から19集団の応募がありました。いずれもレベルが高く、例年に増して大変評価が難かしいという、率直な印象をもちました。その原因は、近年、コミュニティをめぐる課題が多様化し、活動がより多彩に、あるいは専門化・高度化してきている、といったことかと思われます。 審査は、あらかじめ各委員が個々に事前評価し、審査会で3種の賞を決める、という手順で行われています。評価の視点は、地域性等の5つを基準とし、継続性や活動規模なども判断の要件に加えられました。審査会の慎重審議の結果、別記のとおり優秀賞3集団、特別賞1集団、優良賞7集団、奨励賞8集団ということになりました。 優秀賞3集団は、いずれも素晴らしい活動内容で、敬意を表したいと思います。宮竹健康サロンは、その継続性、モデル性から特別賞とさせて頂きました。次いで優良賞ですが、個性的、あるいは大変充実した活動がそろっていて、参考になることが多いと思います。上記の他の8集団は、いずれも相当に頑張っておられることから、奨励賞とさせていただきました。 いずれの集団も、この賞をひとつの励みとして、今後の活動展開に活かしていただければ幸いです。 |
平成21年度(第29回)募集要領
あなたのまちの活動募集
コミュニティ活動賞
コミュニティづくりを通じて、潤いと活力ある地域づくりに努力している
地域の皆さんの活動を募集します!
―募集の対象と条件―
(1) |
今日的な生活課題、例えば、地域の活性化、高齢者問題や子育て支援活動問題、自然環境の保護・保全などの快適な生活環境整備、青少年の健全育成、ゴミ減量やリサイクル活動、国際交流などのテーマに取り組み、新しいコミュニティの形成に向けて活動しているもの。 |
(2) | 活動(組織)が発足して、1年以上を経過したものとします。 |
(3) | 平成18、19、20年度に、この「コミュニティ活動賞」で優秀賞、優良賞を受賞された地区集団については、本年度は応募できません |
優秀賞(3集団程度 |
賞楯と記念品 |
優良賞(5〜6集団) | 賞楯と記念品 |
奨励賞(若 干) | 賞状 |
―応募の方法―
(1) 所定の応募用紙に必要事項を記入してご応募ください。 ※ 応募用紙内に納めるようにお願いします |
(2) 活動に関連した写真や資料も参考に添付してください。 ※ 写真はA4版の用紙に貼付し、説明を記してください。 |
(3) 書類審査が中心ですので、応募用紙へはわかりやすく整理して記入してください。 |
(4) 応募にあたり、本協議会の構成団体か市町村の推薦を受けてください。 |
―募集期間―
平成21年9月より10月31日
―審査委員―
本協議会の推進専門委員などに委嘱します。
―審査のポイント―
下記の項目をポイントに審査をいたします
地域性 |
地域の特性、課題、実情を生かすなど、地域性のあるこ |
主体性 | 地域住民が主体的に活動していること。自主財源を確保していること |
普遍性 | 活動の内容は、他の集団のモデルとなるような普遍性を持っていること |
発展性 | 一過性でなく、今後さらに活動の発展性が期待できること |
独創性 | 活動がマンネリ化せず、常に新しい試みに挑戦するなど、独創性や創造性があること |
―その他―
上位入賞集団は、平成22年度 (財)あしたの日本を創る協会主催の「あしたのまち・くらしづくり活動賞」に推薦いたします。
応募用紙は下記までお問い合わせください
Eメール sizucom0829@po.across.or.jp
電話・054-251-3585 FAX 054-250-8681
平成20年度の審査結果 平成19年度の審査結果 平成18年度の審査結果