未来を見据えた地域ぐるみの環境活動
特定非営利活動法人エコロジーアクション桜が丘の会(掛川市))
学校の屋上は一日中太陽の光が当たっている。この屋上に太陽光発電を設置し、環境教育に役立てると共に、地域防災にも活用したいと考えた。そこで資源化物(古紙)回収を行い、太陽光発電の資金源にすると共に、地域ぐるみの環境活動を展開していくこととした。 そして、平成16年にNPO法人化し、地域の企業・市役所と連携して資源化物回収事業で太陽光発電施設の資金を確保する活動を実践し、着実な成果を積み重ねてきた。同年16年12月に掛川市立桜が丘中学校に10kw(1200万円)の太陽光発電を設置し、自然エネルギーを活用するとともに桜が丘中学校を中心に小中学校の環境教育を開始し、現在まで継続実施している。 また、長期停電の場合、地域住民の情報源(テレビ、ラジオ等の提供)、防災本部とのメール交信等、太陽光発電を地域防災にも役立てていくことにしている。 こうした活動は、地域ぐるみのユニークな活動と多方面から評価され、地区住民の励みとともに多くの市民へ環境問題を考える機会となり、そうした点でも大きな成果をあげている。 |
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自分たちも子ども達も住み続けたいと思える地域づくり
川根町青年団(島田市)
かつては集落単位で組織され、地域づくりの担い手として活躍していた地域青年団も、時代の変化、価値観の多様化などで減少を余儀なくされている。一時は5人まで会員が減少し、存続が危ぶまれていた「川根町青年団」も、歴史ある青年団の火を消してはいけないと、さまざまな努力の結果、会員40人にまで回復させた。 家山の町を一望できる天王山公園で実施する野外音楽イベントは平成14年から開催し、毎回、町内外から600人以上の方々が来場する町を代表するイベントになっている。昨年10年ぶりに復活した「歩行者天国」、毎年8月15日に行われる「野守祭り」、冬に行う「イルミネーション事業とクリスマスイベント」など、地域を元気にして「自分たちも子ども達も住み続けたいと思える地域づくり」をめざして奮闘している。 それも青年だけでなく、地域の方も含めた形でまちづくり、地域づくりをしていこうと、確認しあっている。21歳から35歳の男女40人が活動する姿は、若者の参加が少ないといわれる地域づくりにとって頼もしく、貴重な存在である。 |
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特定非営利活動法人せんがまち棚田倶楽部(菊川市)
平成6年に美しい棚田の景観を子どもたちに残そうと「千枚田を考える会」を発足し、平成11年に静岡県「棚田等十選」に認定されたのを機に、棚田保全推進委員会と名称を改め、棚田の保全と動植物の保護を目的とした活動を行ってきた。
棚田の土地形状からほとんどの作業が手作業となり保全活動は困難を極めたが、棚田保全の大切さ、そこに生きる貴重な動植物を多くの人達に知ってもらうために、小、中学校での総合学習の授業に取り組むなど地道な広報活動により、ボランティアが地区内外から集まり保全活動の負担も軽減されてきた。 生産性に乏しく一面草に覆われて見捨てられ、忘れ去られようとしていた棚田を復活させたことで多くの注目が集まり、年間2,000人を超える人々が訪れ、地域の活性化にもつながっている。 市内の幼、保育園、小学校の参加や、地域コミュニティ協議会の発足により青少年健全育成会、地区連合自治会の協力も得るなど、地域全体の活動として展開されている。 |
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子どもと共に育つ
特定非営利活動法人富士川っ子の会(富士市)
平成14年に発足した同会は、町内五団体と個人有志で、地域が一体となって主に農業体験を通して、子どもを育てていこうと結成され、「自然を生きる」をテーマに、故郷の森をつくろう、野鳥観察会、栗ひろい、しめ縄づくり、川で遊ぼう、すいとんづくりなど、月一回の体験活動を実施している。 自然との関わり合いの中で育つ子どもは、情操面でも大きな効果があるといわれている。そうした認識が広まってきた結果、賛助会員として支援をしてくれる団体、個人も多くなり、活動に参加していた子どもが、中・高校生になってからも参如してくるようになるなど、活動の広がりを見せている。 静岡県教育委員会の「子どもをはぐくむ地域教育推進事業」から始まった活動だが、自主財源を確保し、NPО法人化して毎月継続して活動していることは評価される。同会の理念「地域づくりは人づくり」のもと、古里の自然の中で子どもたちがすくすくと育つよう、地域の大人たちが様々な形で参画している。 |
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平成22年度「コミュニティ活動賞」審査結果
賞 | 市町名 | 集 団 名 | 活動の目標・キャッチフレーズ |
優秀賞 | 掛川市 | 特定非営利活動法人エコロジーアクション桜が丘の会 |
未来を見据えた地域ぐるみの環境活動 |
島田市 | 川根町青年団 | 自分たちも子どもたちも住み続けたいと思える地域づくり | |
菊川市 | 特定非営利活動法人せんがまち棚田倶楽部 | 棚田の保全と動植物の保護 | |
富士市 | 特定非営利活動法人富士川っ子の会 | 子どもと共に育つ | |
優良賞 | 沼津市 | 子持川水系をきれいにする会 | きれいな生活環境と河川の美化 |
富士市 | 富士市子ども会世話人連絡協議会 | より高く、より広く、次の世代を担う子らの育成 | |
焼津市 | 浪蔵劇団 | 地域での高齢者を支える福祉活動 | |
牧之原市 | 坂部放課後児童クラブすまいるきっず | 地域の中でたくさんの人と関わって、子どもらしい子どもの時代を! | |
吉田町 | 片岡きらめき塾 | 地域で子どもを育てよう | |
掛川市 | 掛川歴史教室 | 会員の資質向上、学んだ文化を伝承する | |
掛川市 | OKATTE(おかって)劇団 | 楽しく生きる | |
奨励賞 | 藤枝市 | 似顔絵・ウフフ | 藤枝まちづくりのイベントを盛り上げる。高齢者施設の皆さんを元気付ける |
藤枝市 | 藤枝市花の会駅前グループ | 藤枝市の玄関である駅前をきれいな花で第一印象を良くしよう | |
牧之原市 | 子育て応援し隊「まきのはらパピー」 | お母さん達に楽しく子育てをしてほしい。この牧之原市に一人でも多くの赤ちゃんの誕生を目指そう | |
牧之原市 | 南の風教室 | どーんと元気 笑顔一番 | |
浜松市 | 灰木ホタルの会 | 地域環境の見直しと環境保全 |
今回は10市町から16集団の応募があったが、例年に比して少なく、応募市町の偏りがあるのも残念だった。今後多くの市町からの応募を期待したい。 しかし、応募されたものはいずれもレベルが高く、地区全体で取り組む総合的なコミュニティ団体よりも、テーマを特定した志縁団体・グループの応募が中心だったのが特徴といえる。特に子どもや子育て支援の活動が6件と多く、「地域で子どもを育てよう」という社会的な気運の現れといえる。また、劇団や似顔絵などの活動が4件あり、技能を生かして楽しみながら社会貢献するこうした活動は、まさにこれからの熟年世代の活動として推奨されるものである。緊急な課題である環境問題についても5件あったが、特にネットワークを生かしながら活動していることが印象だった。 今回、このような応募集団を対象に審査したわけだが、評価が大変難かしいという、率直な印象を持った。その原因は、活動が多様化、成熟化してきているからと思える。近年はその情報が幅広く伝えられるようになり、その結果、活動がより多彩になり、活動レベルが高まっている状況があることが指摘される。 審査は、あらかじめ各委員が個々に事前評価し、審査会でその評価を集約、審議し、3種の賞を決めるという手順で行った。評価の視点は、地域性等の5つを基準とし、継続性や活動規模なども判断の要件に加えた。結果は、別記のとおり優秀賞4集団、優良賞7集団、奨励賞6集団ということになった。 いずれの集団も、この賞をひとつの励みとして、今後の活動展開に活かしていただければ幸いである。 |
コミュニティ活動賞
コミュニティづくりを通じて、潤いと活力ある地域づくりに努力している
地域の皆さんの活動を募集します!
―募集の対象と条件―
(1) |
今日的な生活課題、例えば、地域の活性化、高齢者問題や子育て支援活動問題、自然環境の保護・保全などの快適な生活環境整備、青少年の健全育成、ゴミ減量やリサイクル活動、国際交流などのテーマに取り組み、新しいコミュニティの形成に向けて活動しているもの。 |
(2) | 活動(組織)が発足して、1年以上を経過したものとします。 |
(3) | 平成19、20、21年度に、この「コミュニティ活動賞」で優秀賞、優良賞を受賞された地区集団については、本年度は応募できません |
優秀賞(3集団程度) |
賞楯と記念品 |
優良賞(5〜6集団) | 賞楯と記念品 |
奨励賞(若 干) | 賞状 |
―応募方法―
(1) 所定の応募用紙に必要事項を記入してご応募ください。 ※ 応募用紙内に納めるようにお願いします |
(2) 活動に関連した写真や資料も参考に添付してください。 ※ 写真はA4版の用紙に貼付し、説明を記してください。 |
(3) 書類審査が中心ですので、応募用紙へはわかりやすく整理して記入してください。 |
(4) 応募にあたり、本協議会の構成団体か市町村の推薦を受けてください。 |
―募集期間―
平成22年9月より10月31日
―審査委員―
本協議会の推進専門委員などに委嘱します。
―審査のポイント―
下記の項目をポイントに審査をいたします
地域性 |
地域の特性、課題、実情を生かすなど、地域性のあるこ |
主体性 | 地域住民が主体的に活動していること。自主財源を確保していること |
普遍性 | 活動の内容は、他の集団のモデルとなるような普遍性を持っていること |
発展性 | 一過性でなく、今後さらに活動の発展性が期待できること |
独創性 | 活動がマンネリ化せず、常に新しい試みに挑戦するなど、独創性や創造性があること |
―その他―
上位入賞集団は、平成23年度 (財)あしたの日本を創る協会主催の「あしたのまち・くらしづくり活動賞」に推薦いたします。
事務局:静岡市葵区駿府町1−70/総合社会福祉会館内
Eメール sizucom0829@po.across.or.jp
電話・054-251-3585 FAX 054-250-8681
平成20年度の審査結果 平成19年度の審査結果 平成18年度の審査結果