平成29年度コミュニティ活動賞審査結果発表
優秀賞受賞3団体紹介
地域づくりのプラットフォームとなること
裾野市東地区おやじの会(裾野市)
元々は『父親の教育への積極参加』を目的に裾野東小PTAの内部サークルとして発足したが、年に4回のイベントで社会教育は出来ているのかという疑問が生じていた。 教育の前提には人間関係があり、人間関係を作るためには『非日常の関係ではなく、日常の関係が何よりも大切』だという意見から、月に一度のお泊まり会「何にもしない合宿」をH24年9月にスタートさせた。この事業がプラットフォーム的役割を果たし、日中の遊び場開放事業「体育館“解”放」、ドッジボール日本代表によるドッジボール教室など新規事業が立ち上がる。『人と地域をつなぐ』ことであれば全てが地域づくりに通ずるとの考えから、団体としての理念や目的をあえて統一せず、発案者がそのまま実行委員長になる『言い出しっぺ実行委員長方式』をとっている。また、出席義務や平等負担のような考え方はせず、実行委員長以外も参加したい(協力したい)事業のみの参加で良いため、常に主体的な参加者のみで事業を行えている。 |
たまりばに行けば誰かに会える! 遊水匠の会(三島市)
遊水匠の会は、源平川に設置した水車づくりの技術をいかし、高齢者の家の周りの修理を手掛けたところ顧客が増えていった。高齢化による、独居老人、老老生活、認知症介護に出会い、社会問題を自他ともに体験したことから、地域内における高齢者の独居、介護、引きこもり及び空き家対策等に対応する居場所事業としてスタート。平成26年、町内の空き家を借り上げ、高齢者の街角サロン「たまりば かど」をオープンし、毎週火曜日にハーモニカ伴奏の歌声喫茶を参加費無料で開店した。 現在は活動が多岐、多世代向けになっており、世代間交流に有益となっている。木金土オープンする高齢者軽食喫茶「かしゅかしゅ」では、元看護師が高齢者や小さい子を持つ親向けに相談に乗っているほか、建物内の空き部屋を子どもの遊び場として開放。さらに三世代英語塾では子どもから高齢者まで一体となって英語を学んでいる。また、参加者の8割は地元住民、2割は周辺の住民であり、地域間交流にも役立っている。 |
「思いやり号 感謝感謝で17年」
東山口地区まちづくり協議会 「一期会」(掛川市)
平成13年、バスやトラックの運転手たった地元の有志5人が、「育ててくれた地域に対し、自分たちに恩返しできることは何か」と相談し、当時から地或の課題になっていた高齢者の病院等への送迎をボランティアで始めようと、運営組織となる「一期会」を立ちあげ、同会の事業として「地域福祉バス」を運行することとなった。 地区への恩返しをきっかけとして始まった同事業は、「思いやり号」と名付けられた地区の車両に自力で自家用車を運転できない単身世帯の高齢者などを乗せて、平日毎日運行を続けている。 困っている人は地区全体で支えようという意識が浸透しており、会員以外からの協力金も得ながら、平成29年に17年目の運行を迎えた。事業開始から利用者やボランティアが途絶えることなく継続して事業を実施してきている。平成28年よりまちづくり協議会事業となったことにより、資金的な面に加え関わる人も増え、より経営基盤が固まると共に、地域内の繋がりが深まった。 |
29年度審査結果
優秀賞(3団体)
〇裾野市 裾野市東地区おやじの会 地域づくりのプラットフォームになること
〇三島市 遊水匠の会 たまりばに行けば誰かに会える!
〇掛川市 東山口地区まちづくり協議会「一期会」 思いやり号 感謝 感謝で17年
優良賞(6団体)
〇三島市 芙蓉台自治会避難行動要支援者の支援者会
①安全・安心な街づくり ②向う三軒両隣 ③ご近所相互扶助 ④自分達の街は自分達で守る
〇三島市 コスモスの会 歌って、遊んで、健康寿命延伸
〇沼津市 大平コミュニティ推進委員会
…多世代交流お飾り作り講習会…伝統文化の継承と多世代との交流、物づくりの楽しさを学ぼう
〇静岡市 しろくまLaBO 池田でわいわい!! ゆる楽しい地域づくり、してます
〇藤枝市 駿河台支えあいの会「ぼちぼち」 支え合いを大切に、地域に暖かなふれあいの輪を広げよう
〇菊川市 横地地区七重会 笑顔で楽しく生き生きと活動しましょう
奨励賞(6団体)
〇沼津市 第一地区コミュニティ推進委員会防犯安全部
瞬間防犯ボランティア ~出来るときに、出来る範囲で、出来ることを~
〇三島市 新谷コミュニティ“花笑み”
“花笑み”へ行ってみよう!高齢者の閉じこもり、孤立化を防止し、見守りができる
〇沼津市 第一地区コミュニティ推進委員会防犯安全部
瞬間防犯ボランティア ~出来るときに、出来る範囲で、出来ることを~
〇静岡市 泉ヶ谷地区美しいまちづくり協議会
泉ヶ谷地区の発展とまちなみ景観の形成推進を図るための事業を行うことにより、地区のまちづくりに寄与する
〇静岡市 草薙の輪プロジェクト
まちの顔である草薙駅前をきれいに飾って、地域を花で盛り上げ、活動を行うことにより地域住民同士の交流の場とする
〇島田市 金谷の魅力を惹きだし出し隊 地元の誇りを全国に紹介する まずは地元からみんなで楽しく暮らしましょう
〇浜松市 NPO法人子育て支援の会 感動!笑顔!かがやく未来のために!~子供の学びや育ちを支える~
審査総評 (川口良子審査委員長)
本年度は9市から15団体の応募があり、結果は別掲のとおり、優秀賞3団体、優良賞6団体、奨励賞6団体となりました。審査方法は、あらかじめ各委員が応募資料をもとに、審査基準である地域性・主体性・普遍性・発展性・独創性・活動実績について事前評価を行い、審査会でその評価を審議し、各賞を決定しました。 残念ながら、応募数は例年より少なくなりましたが、内容的には、高齢者の移動の確保、空き家の活用、地域の居場所づくり、災害時における要支援者の見える化、子供たちの主体的な地域参加等々、近年の多様化する地域課題の解決に、主体的、複合的に取組む質の高い活動が多くみられました。 次世代への活動の継承を実現し30年余も活動を継続している団体や、月一度の開催で100人を超える参加を持続している「なんにもしない合宿」等、その“こつ”をもう少し詳しく聞いてみたい活動も多く、他団体にとって大いに参考になるものと思います。
応募団体の所在地は、東部地域が7団体、中部地域が5団体、西部地域が3団体、伊豆地域からは残念ながら応募がなく、地域的な偏りがみられました。次年度は、より広い範囲の市町の方々からの積極的な応募を期待しています。 |
表彰式 「コミュニティ・フォーラム2018」の席上
とき:平成30年2月24日(土) 会場:三島市民文化会館
「あしたのまち・くらしづくり活動賞」への推薦
公益財団法人あしたの日本を創る協会が全国規模で募集している「あしたのまち・くらしづくり活動賞」に、下記3団体を、平成30年度同賞に本県から推薦する。
- 裾野市東地区おやじの会(裾野市)
- 遊水匠の会(三島市)
- 東山口地区まちづくり協議会(掛川市)