コミュニティ活動賞

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令和2年度コミュニティ活動賞 審査結果発表

優秀賞受賞3団体紹介

10年後の門池が豊かであるために、今できることすべきことを考え行動しよう!

 門池コミュニティ推進委員会(沼津市)

 

 コミュニティの希薄化進行が社会課題となっており、解決には新たな地域活性化が必要であると考えた。地域の特性を学びあうことが地域愛であり、地域愛がコミュニティへの帰属性を高めると考えた。門池地区の歴史・文化を掘り起こし、磨き上げ、ブランド化し、世界に発信することが地域活性化であると定める。最近の活動は、「門池の歴史アーカイブ事業」の展開では、門池の竜伝説(民話)の3Dの動画制作 門池音頭の復活を進め門池まつりでお披露目した。また、沼津明治資料館・沼津文化財センターの協力を得て、門池の歴史資料のデジタル保存を進めてHP制作、合わせて「わたくしたちのふるさと写真展」「門池ウォーク(地域遺産めぐり)」を企画運営した。

 令和元年度には、住民が主体となり地域資源である門池公園を活用しながらビジネスの手法により、地域の課題を解決するコミュニティビジネスを企画運営した。具体的には、平成30年度に沼津市で「パークマネジメント」が施行され、自治会長研修等で門池公園の利活用促進事業として「バーベキュー事業」が浮上。翌元年度に「沼津市民間支援まちづくりファンド」を資金に、門池公園での「完全手ぶらスタイル」バーべキュー事業を開始した。コロナ禍では、広報を活用して例年以上のメッセージをタイムリーに全戸に届けることとしている。

 

富士宮を高校生の視点から活性化しよう(西町から元気を発信)

 富士宮高校会議所(富士宮市)

 

 富士宮高校会議所の組織化・活動は、事務局長が高校教員を退職した後に、地域に根差した活動を高校生たちの視点で行うことが、高校生の柔軟な発想に基づく地域の活性化及び高校生たちの成長に繋がるのではないかと考え、地域の高校生に呼びかけて始めた。これまで次の活動を実施してきた。

Ⅰ高校生としての提言活動

①市議会議員と高校生とのグループワーク ②知事選候補者に対するアンケートとその内容についてのグループワーク・提言 ③プラっと歩こう宮ウォークを企画(回遊性ウォーキングコースを提言) ④地域を元気にしている全国の高校生が交流・情報交換して提言を行う日本高校会議所総会を開催

Ⅱ富士宮の賑わい創出イベント活動 

①音楽の力で富士宮を元気にする高校生パフォーマンス大会を企画・開催 ②高校の演劇部が公演する西町小劇場を企画 ③防災菓子「風祭」の試食会及び防災意識の喚起を企画 ④おはなし会の企画 ⑤小中高生の発表による地域研究発表会の企画 ⑥富士宮の良いところをテーマにした宮フォトコンテストを実施

Ⅲ富士宮の新たな商品開発活動 

ニジマスを活用したふりかけ、お茶漬け、マスマヨバーガー、香味燻製ニジマスなどを開発

Ⅳ富士宮の持続可能な社会づくり(SDGs実践活動) 

①「マスマス元肥」を開発普及、それを使った農産物、そのスイーツづくり ②SDGsコンテストの実施

 

築160年の旧岩邊邸を拠点に ①建物・庭園の保全・活用②邸に集う人材を生かした国際交流③地域コミュニティと連携した事業の展開を推進する

 旧岩邊邸(木下邸)を楽しむ会(静岡市)

 

 

 地域の有志が集まり、蒲原地区の歴史や文化の地域特性に重要な旧岩邊邸の保全と活用に関わることにより、楽しみなら少子化、空き家等の課題解決につなげることを目標に、「旧岩邊邸(木下邸)を楽しむ会」を設立し活動を展開している。毎月イベントを企画し、年間で16のイベントを実施。延べ400人余の地域の参加者を得、若い独創性に富んだ企画で地域に新風をもたらしてきた。

【建物・庭園の保全・活用】

・大学生が主体となり茶房「家民呼」を運営。 古民家を活用し、多世代交流ワークショップ、留学生との異化交流等活用のモデルとなる催しを実施。

・会員による庭園の草取りBBQ大会等楽しみと管理の協働モデルを実施。

【邸に集う人材を生かした国際交流】

・邸を訪問する外国人ゲストと子どもをはじめ地域との交流を促進し、海外ゲストの長期逗留受け入れと地域の国際化へのモデルとなる国際交流を図った。

【地域コミュニティと連携した事業】

・「子ども若者まちづくり」グループを結成。小学生~大学生が一堂に会し、宿場まちガイド、読書会等を開催し、次世代へ継承する取り組みをしてきた。

・楽しむ会会員を対象に、特別講演会、餅つき大会、リーディングカフェなど、楽しみから人の出会いと縁から次の展開へと創造的に発展する催し等を開催。

優良賞受賞3団体紹介

白砂・青松と緑の自然シルバーパワーで育ててくれた郷土に感謝

 用宗汐風クラブ (静岡市)

 2010年、人口減少と高齢化が進むもちむねの将来に危機感を抱いた地元有志を中心としたまちづくり活動がきっかけで、その後現役を退いた高齢者が参画し2011年クラブが発足した男女55人からなる団体。主な活動は、用宗海岸清掃活動と持舟城址公園清掃維持活動。海岸清掃は毎月最終日曜日に開催(海水浴シーズンは毎週日曜日)公園維持活動は毎月第2日曜日。用宗地区の美化活動に取り組んでいる。また、地区の行事の支援も積極的に行っている。

ふるさとの二ホンウナギを救え!庵原から日本へ!そして世界へ!

 いはらの川再生PJ会 (静岡市)

 清水区にある庵原川は、河川工事により二ホンウナギをはじめとした水棲生物が減少している。それに伴い、子どもたちの故郷の川への関心も薄れていく傾向にある。そこで静岡県静岡土木事務所の協力で水棲生物の住処になる「石倉カゴ」を設置し、生態調査を通じて地域づくりや人づくりを育む活動を始めた。主な活動は、①モニタリング調査②庵原中学校地域授業③庵原地区での発表④多自然川づくりの推進など。会員は、地区内に住む若い世代の親子を中心に50人。そのほか水棲生物の判定については東海大学海洋学部水棲研究会の協力を得ている。

高齢者の買い物支援 支え合い 住んで楽しい 西益津

 西益津地区お出かけ支援隊 (藤枝市)

 高齢者の移動問題を解決すべく藤枝市内で初となる移動支援事業「地域支えあい出かけっCARサービス事業」を令和元年7月から開始した。毎週火~土曜日までの5日間を1回に最大5人まで乗車し、スーパーへ送迎をしている。地区内からは「ありがたい」「助かる」の声が多く聞かれ34人のボランティアもやりがいを感じている。病院への通院支援要望が多いことから、市立病院通院サポート事業を計画中。12月からスタートを予定している。

 奨励賞受賞6団体紹介

互いに思いやりをもって助けあう

 御殿場市永原区永寿会 (御殿場市)

 昭和45年に発足。満50年を迎えた老人クラブで、通常の活動は、グランドゴルフや輪投げなど健康づくり、小学生下校時の見守り活動である。新型コロナによる感染予防のため、会も活動を自粛する旨を会員に通達したところ、マスクがどこにもなく困っていると声が上がった。そこで老人クラブ役員が集まり相談したところ、女性部からマスクを作りそれを全員に配布し、同時に健康状態を確認しようと提案があり実行し、5月15日に計70枚もマスクを会員宅を訪問し配布。会が始めた活動は御殿場市全体に広がった。

人とふれあい・つながりあい・生き生きと楽しむ!

 御殿場市深沢区 『ふかさわやすらぎの会』(御殿場市)

 平成15年、高齢者や一人暮らしの方々が、将来生きがいや楽しみをもって過ごせる環境を作りたいという思いで立ち上げた。主な活動は、お花見会、健康づくり体操、カレンダーや文化祭出展用の作品作り、敬老会での手話で歌唱、お楽しみ会等。どんな活動も一方通行ではなく、参加者から話したい、何か作りたいという思いになるように仕向けている。当初、参加者は少なかったが、スタッフが該当者に足を運んで誘うなど努力の甲斐があって会員が増えている。

モットー 一笑一若 いきいきはつらつの心身で住みよい地域づくり活動に参加貢献する

 ぬまづ・わんあっぷ・どち (沼津市)

 市主催の60歳以上を対象とした「筋力パワーアップ講座」を終了後に、第一地区センターを拠点に2004年に自主クラブとして発足。会員46人からなり、健康づくりに努めている。仲間で健康づくりをしているだけではなく、「編み物教室」や「まんじゅうづくり」など教室を開いたり、清掃活動や地区祭りへの出演等地域の活動へも参加している。満16年を迎え、80歳を越えた仲間が6割以上になったが、イキイキと元気に活動する姿は地域に元気を与えている。

愛称を「渡しの会」として、人と人との繋がりを大切にしている。富士山が街角から見える町として、「富士山と歩く」を活動のキャッチフレーズとしている

 富士川観光ガイド協会 (富士市)

 東海道を歩く人が増える中、道の駅「富士川楽座」の開業など旧富士川町地域には観光の玄関口が開かれた。平成20年に多くの観光客を迎えるべく地域の歴史や文化の情報発信者として活動が始まった。宿場や富士川の舟渡の歴史などを観光客向けにガイドする他、地元住民向けの講座の講師を務め、地域の魅力向上や地域活性化に貢献している。今年度、富士市まちづくりセンター主催の市民プロデュース講座に選定され、さらに活動の場を広めていく。

リサイクル活動で地域コミュニティの場を設け自治会に協力する

 半野区上組 (富士宮市)

 集積場に集められたごみの中にはリサイクルできる物がある。再利用できるものは何か検討し、不燃物を分別しアルミ缶を集めたことをきっかけに、2013年市の生活環境課に古新聞等リサイクル活動団体登録をした。毎月1回、市の収集日程に合わせてアルミ缶の収集活動している。リサイクル収益金で、①上水道マンホール内へ消火用空気弁の取り付け②消火栓用ホースの購入、収納ボックスを町内に設置③地区防災訓練での炊き出し用かまどを町内有志で設置完成④給水栓を利用した地区防災に協力、操作方法と訓練を実施するなど、地域防災へも役立っている。

 

協働センターを核とした花づくりによる幅広い年代層がふれあう地域コミュニティ活動の推進

 ひくま花の会 (浜松市)

 曳馬協働センターを中心に花を通して明るい健康的な、一体感のある地区づくりのため、回覧板を通じて集まったメンバーにより平成3年に発足した。主にセンター敷地内の花壇の手入れ、花の苗の育成、会員の意識向上と新規会員を呼び込むため助成金を利用したオープンガーデンバスツアーや園芸講座を開催している。また、地域交流として夏休みには、放課後児童会の子どもたちに花の寄せ植え体験をしてもらい花と地域への愛着心を育てる取り組みを行っている。

審査総評 (望月誠一郎審査委員長)

 

 本年度の活動賞は、優秀賞3団体、優良賞3団体、奨励賞6団体となりました。審査方法は、あらかじめ各委員が応募資料をもとに審査基準である地域性・主体性・普遍性・発展性・独創性、活動実績について事前評価を行い、審査会でその評価結果を踏まえ慎重に審議し、各賞を決定しました。

 本年度の応募数は、コロナ禍により対面での打ち合わせや活動が制限されるという、コミュニティづくり活動団体には大変厳しい状況にあったことから、7市・12団体とやや少ない件数でした。しかしながら、応募団体はコロナ禍にあっても、高齢者が孤立しないためのコミュニケーションの場の創設、手作りマスクの配布活動のほか、Web会議やユーチューブ配信、3密にならないイベント開催方法など、それぞれ工夫した活動がみられました。

 審査においては、既存組織の改変に取り組み新たなコミュニティビジネスを立ち上げた活動、異なる高校の生徒が参加した組織により、地域に根差しながら広域的な連携と情報発信を行っている活動、地域の歴史・文化を伝える重要な空き家を保全し、改修、活用を住民と共に取り組む活動が審査委員へ強いインパクトを与えました。そして、地域の歴史や自然環境を守る清掃活動や環境整備、ふるさとの川の再生、高齢者の買い物時の移動支援など、地域の置かれている様々な課題に対応した活動が高く評価されました。

 次年度以降においては、コロナ禍を乗り越え、これまでのように安全、安心して、楽しく元気にコミュニティ活動ができることが望まれます。そして、静岡県内各地域のコミュニティ活動団体が、新たな課題の解決に向けて知恵と工夫と団結力により積極的に取り組み、その成果を持って本「コミュニティ活動賞」に多数応募されることを期待しております。

表彰式  「コミュニティ・フォーラム2021」の席上

とき:令和3年2月20日(土)  会場:プラサヴェルデ(沼津市)

あしたのまち・くらしづくり活動賞」への推薦

公益財団法人あしたの日本を創る協会が全国規模で募集している「あしたのまち・くらしづくり活動賞」に、優秀賞受賞団体を、令和2年度同賞に本県から推薦する

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