コミュニティ活動賞

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令和5年度コミュニティ活動賞 決定!!

優秀賞受賞3団体紹介

 

子育てしやすく高齢者にやさしいみんな仲良く住みよい松野

  (一社)松野地区まちづくり協議会  (富士市)

日曜朝市を開催し、高齢世帯への応援と地産地消の推進。

 活動を始めたきっかけは、高齢化が進み、人が変わっても普遍的な地域運営ができるよう、自分たちの活動拠点であるまちづくりセンターの指定管理者制度を導入し、その過程で実施した住民アンケートを基に、住民と社会のニーズに沿った地域活動を展開することとなった。

これまでの活動として次の事業を実施してきた。

①公共交通(デマンドタクシー)の料金を地区で一部負担して、利用者急増

②若い世代へ情報発信するため、専用SNSやHPを開設(SNSでは、現在、1,300人以上のフォロワーを獲得)

③家庭菜園の野菜を個人販売している住民が多いことから、日曜朝市を開催し、高齢世帯の買い物難民とのマッチングを図り、地産地消にも繋げている。

④こども食堂(日曜朝市と連動し、今年11月から開催。耕作放棄地・食品ロス・貧困といった複数の地域課題解決につながるSDGsの取組として期待している。)

⑤親子ふれあいの場を提供(地元プロサッカーチームと協働し、親子で運動する場を提供)

⑥まちづくりセンターに無料カフェサーバーを設置し、高齢者の交流の場となっている。

⑦シェアリングサービス物品の拡大(手動式の草刈機や、祭りなどで使用する簡易テントなど、住民がシェアして利用できるものを順次拡大している.)

⑧体育祭から健康スポーツフェスへ(体育祭のニーズが低かったことから、気軽に参加できる内容に一新)

⑨まちづくりセンターでの事業の充実(まちづくりセンターを活用した独自の事業を実施、自習室の設置や映画鑑賞会、各種講座を開催)

今後も、アンケートの結果を基に、住民と社会のニーズに沿ったまちづくり活動を実施していく、住民自身が地区のことを「自分ゴト化」し、地域活性化のため、従来の地区のイベントと課題解決事業の割合を4:6の比率になることを目指し、楽しめる活動と住民生活を支える活動の両輪で進めていくこととしている。

10年・20年先も住んでみたい青木平

    富士宮市青木平区自治会  (富士宮市)

シルバー人材センターと連携し、週1回200円で戸別ゴミ収集事業を開始。

 活動のきっかけは、40年前に宅地造成された歴史の浅い地区であるが、10年、20年先を見通すと人口減少、高齢化が大きな課題となることから、今から将来に向けた活動を展開し、対応準備を進めることとした。

これまでの活動としては、次の事業を実施してきた。

①青木平区民の楽しみ 最大イベント「秋まつり」の実施

毎年行っていた「夏まつり」は、コロナ感染症と相まって熱中症リスクも高く3年間の中止を余儀なくされた。今年は思い切って「秋まつり」に変更し、班員の負担を軽減するため出張商店街など、各班の出店を外部出店依頼に変更し10月中旬に実施した。

②高齢化社会の到来に備えた生活インフラの整備

青木平は山を削り造成された土地で坂も多く、生活道路として利用する階段には手摺りが無かった。高齢者が増えるなか、富士宮市に働きかけ、全ての階段に手摺りを設置した。

③高齢者の生活支援の仕組み作り

 青木平区に設置されたゴミ集積ステーションは3カ所あり、坂の多い地形でゴミ捨てに難儀している高齢者がいるため、シルバー人材セン    ターと連携し、週1回200円で戸別ゴミ収集事業を開始。収集作業はシルバーに委託、自治会は申込者の登録と集金を担うビジネスモデルを構築。

 高齢化が更に進むと、自動車運転免許証の返納者も確実に増えてくる。そこで積極的に移動販売の利用を拡大し、少しでも買い物の不自由を補っていく。令和5年9月から大手スーパーの移動販売を開始した。

④空き家対策

2018年に開設した自治会ホームページは6年目で12万件のアクセスを記録。空き家情報、美しい青木平の写真やお店の紹介を掲載。開設後、多くの転入(移住)があり、大きな成果を上げている。

活動を行っていく上では、人口減少の予測を区民に理解してもらうため、厚生労働省が発表している「完全生命表」を利用し、人口減少の予測をグラフ等に表し、根拠を持って今何をすべきかを説明してきた。区長を加えた班会議や青木平の将来に関する勉強会の実施、青木平への移住を増やすためのホームページを活用した情報提供など、工夫して進めた。

この活動による地域への波及効果として、ホームページを通して青木平の良さを紹介したことなどにより、6年間で37世帯もの転入を実現できた。また、区民の皆さんも、きれいな青木平の維持を自覚し、夏場の草刈りや自宅周りの草刈りなど、以前にも増して美しい景観づくりに協力してくれている。

 

住民同士が町の魅力を共有し、町外へ発信する場を作ろう!

     かわねふるさと応援隊KiTeGo (川根本町)

初めてのKiTeGo縁日

  活動のきっかけは、役場が主催した起業セミナーの受講を通して、人口減少や少子高齢化等の町の課題を実感し、町の活性化のために人と人をつなぐ活動を行いたいと考えたことである。

これまでの活動としては、次の事業を実施してきた。

・徳山のむかし話の旅・・・フィールドワークの企画協力及びガイド募集

・講演会のパブリックビューイングの企画・運営 「ささまとゆるーくつながろう」

・元藤川フィールドワークの企画・運営

・「かわねエール飯 改訂版」(飲食店の情報誌)の発行協力

・「元藤川お散歩マップ」の企画・運営

ハロウィン × KiTeGo縁日~マルシェ~

閉校する学校のイベント × KiTeGo縁日~マルシェ~

活動していく上では、LINE公式アカウントを作り、イベントの告知や雨天の案内などをスムーズに行えるようにしたり、企画会議や運営会議を度々オンラインで実施し、より多くの会員が参加できるようにするなど、SNSを活用して効率的に実施した。こうした事業を実施したことにより、地域では次のような波及効果が出ている。

・子どもからお年寄りまで地域の人たちが、KiTeGo縁日の開催を楽しみにしてしてくれるようになった。

・マルシェの出店者からは、お店のことを町民に知ってもらうきっかけになっていると喜ばれている。

・中学生がKiTeGoの活動に興味を持ち、学習の一環として縁日の企画・運営をしてくれた。

今後、お花見ウォークイベント(地元ガイドによる散策コースの案内)を行うため、①ガイドの募集 ②フィールドワーク(コースの下見) ③ガイド養成講座 ④徳山桜祭りでの散策ガイドの実施などを順次進めていく。

 

 

優良賞受賞4団体紹介

 

子どもたちの自由な居場所「かぬきの広場」~すべての子どもたちの生き抜く力を育むために~

  香貫地区民生委員・児童委員協議会 (沼津市)

 

 香貫地区民児協では、地域に一人親世帯が多い傾向があることから、地域の大人が子供を見守り育てるという意識がより重要であると考え、見守り活動・子どもたちとの対話日彼を入れよう考え活動を開始した。平成30年頃から区内の通学路に当番制で会員が立ち挨拶運動を実施。

 また、2年前からは更に子どもの見守りにつながる活動ができないかと、子ども居場所づくり事業「かぬき広場」を新たに立ち上げた。かぬき広場は、長期の休み期間に、家でゲームで過ごすのではなく、外に出るきっかけを作っている。高校生ボランティアとオセロをしたり、クリスマスお楽しみ会出カレーをつくったり、アスクラロ沼津のコーチからボールの遊び方を教えてもらうなどの内容。

助宗地区の自然、歴史・文化、農業、食などを活かした交流・体験事業を実施することにより、藤枝市の中山間地域の活性化を推進する

  助宗ひだまり倶楽部  (藤枝市)

 助宗ひだまり倶楽部は、平成27年の団体発足時から藤枝市が推進する中山間地域の活性化に取り組んでおり、都市住民との交流による賑わいのある地域づくりの指標としている「中山間地域における交流人口」の拡大にも貢献している団体。

 明治30年に建てられた築125年の古民家「ひだまり」を拠点に、助宗地区の自然、歴史・文化、農業、食など、地域の宝物を活用し、田舎暮らしを体験したい人たちに、川遊びや里山散策などの「自然体験」や田植えや稲刈りなどの「農業体験」、そば打ちや地元の食材を使った「食の体験」、そして地域の人たちとの交流などのプログラムを提供している。また、藤枝市が実施する「田舎暮らし体験ツアー」や「移住促進事業」への支援、「芸術文化活動」への支援を行っている。

みんなで築こう住みよいまち城北

 城北地区まちづくり協議会  (掛川市)

 

 城北地区は、掛川城の北部に位置する土地区画整理事業や住宅開発事業によりできた新興住宅地域で、近年子どもの数が増加傾向にある。活動拠点が元保育園であることから子育て支援及び文化力向上を目指した活動に重点を置き展開しており、コロナ禍で事業を中止する団体が多い中、時勢を配慮し創意工夫による柔軟な発想で事業を継続していた。

 子育て支援事業では、保育園や幼稚園の勤務経験者や子育て世代の方からなる実行委員会を組織し、住民のニーズに合った活動内容に近づけた。また、まちづくり協議会の情報が若い世代にも届くように広報紙だけではなく、公式LINE、ホームページ、YOUTUBEで情報を発信をしている。

 

地域住民と共にふるさとの美しい景観を守り、住民の郷土愛を育む

  新所水とみどりのプロジェクト (湖西市)

 

 新所地区には、昭和40年代に「県営ほ場整備事業」で整備された約51ヘクタールの農地が存在するが、整備修了後30年が経った頃から、耕作放棄地が増え始めた。これを解消して美しい田園風景を維持するために農家以外の地域住民の力も借り活動を行っている。主な活動は、平成19年から植栽と管理が始まった「あじさいロード」。水田の周りに3キロに渡り3000株のあじさいを植え、毎年6月に開催されるあじさいまつりには、市内外から300人以上の人が訪れるようになった。

また、東小学校の子どもたちに、稲刈りや芋ほり等の農作業体験を実施し喜ばれている。活動を始めた数年は、地域住民の理解を得るのに非常に苦労したが、自治会との協議を重ね、長い年月をかけて理解の輪が広がってきた。

 

奨励賞受賞5団体紹介

 

地域の活性化を図るまちづくり活動

 静浦コミュニティ推進委員会 (沼津市)

 平成11年に発足。少子高齢化による人口減少がすすむ静浦地区の活性化に取り組んでいる。住民相互の交流によるまちづくりの推進に尽力。地域の一大行事「静浦ふれあいまつり」では、多くの人に参加してもらうため干物の無料配布や幼稚園から中学校の子どもたちの作品展示、子どもたちの太鼓の演奏等、参加への工夫をしている。

 また、ほぼ毎月行事を開催することで、地域住民同士の交流の機会を増やしてきた。令和3年度から学校と地域住民とが力を合わせて学校運営に取り組む「コミュニティスクール」に指定され、世代を越えた交流を積極的に取り組んでいる。

共に輝く豊かな人

 小南チャレンジクラブ (裾野市)

 平成27年に、子どもたちからの「地域の人と何かやってみたい」という声と、地域の方の「子どもたちと何かやってみたい」という声がそれぞれあったので、それらをマッチングさせて活動を開始した。当初は卓球と放課後学習(漢字検定チャレンジクラブ)事業だけだったが、少しずつ活動の種類も増え、放課後や休日に学校の空き教室やグランド・体育館を利用し、地域の方や子どもたち・保護者が遊んだり学んだりしながら交流していく場を作ってきた。

 有志4人で始めた活動は、地域住民の関係深化に大きく寄与している。また、活動への参加をきっかけに、交流を深めた地域住民が、学校と連携しつつ、次々と新たな活動を主体的に生み出している点が特長。

おもちゃ修理を通して地域の交流と笑顔を増やしたい

 御殿場おもちゃ病院 (御殿場市)

 令和3年、富士岡地区の生涯学習講座「おもちゃドクター養成講座」を受講した10人が、講座修了後も活動を続けようと発足した。神山地区生涯学習センターを拠点に現在16人の会員がいる。活動内容は、毎月第4日曜日におもちゃ病院の開催、出張おもちゃ病院、子ども工作教室、おもちゃドクター養成講座の主催等。毎月のおもちゃ病院開院日の翌週に、修理勉強会を実施することで会員の技術向上を図り、会員の中には、自ら専門家を訪ねて修理方法を学び学習意欲向上にも寄与している。

 おもちゃ病院の受付には、中学生がボランティアで参加しており、世代間を越えた交流の場となっている。地域の老人クラブの方に裁縫の得意な方を紹介してもらい活動に協力してもらっている。高い技術を持ったシニア世代の活躍の場の創出、子どものものを大切にする心や、科学技術への興味関心を高めている。

誰一人取り残さない!支え合い、手を差し伸べる東新町へ

 磐田市東新町サポートボランティアの会 (磐田市)

 令和3年6月に、東新町自治会として日常生活における困りごとについて全戸アンケートを行ったところ、市内でもトップの高齢化率(49.4%)ゆえ、多々あることが分かった。そこで、元気な高齢者ボランティアを募り、自治会活動と日常生活をサポートする体制をつくり、超高齢化社会を克服するまちづくりをすすめようと同年10月にスタートした。ボランティア23人、自治会役員が事務局を兼務している。令和5年には、自治会から助成金をいただき独立。

 自治会の活動は、コミュニティ会館の花壇を低木に植え替え、組長当番の水やりを廃止、荒れいた緑地帯を芝生の絨毯に変えるなど、目に見える改善が住民に認知に繋がった。日常サポートは、①ゴミ出し ②庭の草取り、枝払い ③買い物、病院付き添い ④家事のお手伝いなど。当初、多くの依頼を想定していたが、相談件数はまだまだ少なく、「困ったら頼めばよい」という雰囲気づくりを進めることが課題である。活動への協力者は年々増えており、地域コミュニティの広がり見られる。

ようこそ!!みくりやへ

 みくりや花と緑の会 (磐田市)

 

 令和2年3月にJR御厨駅が開通したことで、地域に訪れる人たちをきれいなお花でお迎えしたいと発足した。御厨駅周辺の花壇を中心に、そのほか2か所の管理をしている。無理せず、楽しく活動をするために、草取りや水やり等の管理作業は当番制にし、「会員全体の活動」と「有志で行う活動」に分け全員の活動日数と負担を軽減する工夫をしている。

 「親子で植え付け体験」や「中学生ボランティアによる植え込み体験」も企画。参加者が増加傾向にあり、緑化取組の効果が少しづつ出始めている。

 

審査総評 (伊藤光造 審査委員長)

 本年度の活動賞は9市1町12団体の応募があり、別掲のとおり優秀賞3団体、優良賞4団体、奨励賞5団体となりました。審査方法は、審査基準に基づき、あらかじめ各委員が応募資料について事前評価を行い、審査会でその評価結果を踏まえ慎重に審議し各賞を決定しました。

 本年度の特色としては、新型コロナの影響により地域活動が危機的な状況になる中で、SNSやリモート会議の活用、小規模・分散型など活動実施方法の工夫などにより、コミュニティ衰退に対処した活動が見受けられました。またコロナ禍を乗り越えるため従来からの活動を見直し肝心な事業に絞ること、あるいは高齢化を見越して必要不可欠な新規事業を立ち上げるなど、コミュニティの維持には逆風となったこの時期に、適切に対処されていることも心強く思いました。また、女性が主体的に意欲的に推進された頼もしい活動もありました。

 審査においては、「全住民を対象としたアンケートを基に、人の移動支援、買い物支援、親子ふれあいなど住民ニーズに沿った幅広い活動」、「地域における人口減少・高齢化について、客観的データを基に住民に理解してもらった上で、生活インフラ整備、高齢者の生活支援、空き家対策などに取り組む活動」、「高齢化が急速に進む中山間地域において、若者を中心に中学生も巻き込み、人と人をつなぐイベントを企画運営する活動」などが、審査委員の高い評価を得ました。

 また審査の過程では、国や県など行政の補助金を活用し地域づくりに貢献する活動について熱心な議論が行われました。また、ⅮⅩ(デジタルトランスフォーメーション)の視点の重要性や、NPO的団体とコミュニティ活動にかかる地縁団体の協働のあり方についても意見がありました。

 次年度以降、県下各地のコミュニティ活動団体が、知恵と工夫を駆使しながら、積極的にコミュニティの強化と地域課題の解決に向けた活動に取り組まれ、その成果を持って本「コミュニティ活動賞」に多数応募されることを期待しております。

 表彰式:「コミュニティ・フォーラム2024」の席上

 とき:令和5年2月17日(土) 会場:富士市文化会館ロゼシアター

 「あしたのまち・くらしづくり活動賞」への推薦

 公益財団法人あしたの日本を創る協会が全国規模で募集している「あしたのまち・くらしづくり活動賞」に、優秀賞受賞団体を本県から推薦する。

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