コミュニティ活動賞

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令和7年度コミュニティ活動賞決定しました。

優秀賞受賞3団体紹介

 

安心して住める地域づくり

青島第8助けあいの会 はちすけ(藤枝市)

藤枝市青島第8自治会(約4,500人)は、町内会からの要望を受け、高齢者の生活支援を目的に2020年11月に「青島第8助けあいの会 はちすけ」を設立しました。多様な地域特性を持つ6町内を統括する自治会全体で運営される助け合い組織です。

発足当初から活動は急拡大しており、支援回数は2020年度の44回(5ヶ月間)から2024年度には553回へと大幅に増加し、利用世帯も92世帯に達しています。支援の中心はゴミ出し支援ですが、これは単なる援助に留まらず、2023年度以降は安否確認を主目的として重点的に行われています。実際、訪問時に熱中症の高齢者を発見し救護したケースもあり、当初想定外だった安否確認機能が、この会の重要な存在価値として認識されています。

運営面では、自治会内の民生児童委員全員を含む16名の運営委員が主体となり、企画委員会と合わせて毎月定例会議を開催し、支援の標準化と全員参加による運営を徹底しています。また、広報誌や会議を通じて組織の周知に努めています。

利用者は「安心して地域に住める」と高い評価をしており、ボランティアと利用者、またボランティア同士の人的な繋がりも生まれるなど、地域の多面的な連携強化に貢献しています。令和7年度は、さらなる周知とボランティアのモチベーション維持・安全対策を重点に、事業の安定的な継続を目指しています。

だれもが安心して住み慣れたまちで暮らし続けられるやさしい地域づくり

  向笠社会福祉協議会(磐田市)

向笠地区の福祉組織は、住民の主体的な参画のもと、コロナ禍で希薄化した地域の交流を取り戻すことを目標に活動しています。今年度末に小学校が閉校するため、コミュニティの再構築を最重要課題として取り組んでいます。

令和6年度は、地域の声に応じた複数の新規事業が成果を上げました。

  1. 子どもの居場所づくり(Communus): 大学生が運営を担い、子ども・若者がボランティア活動(例:おばけやしき企画・運営)を通じて**「居がい」縦の繋がり**を感じられる場を提供し、必要な居場所として定着しています。

  2. 多世代交流の促進(レコード喫茶 昭和堂): 高齢者サロンで参加が少なかった男性層をターゲットに、趣味を活かした集いの場を新設。音楽や音響機器など多様な関心を持つ人が集まり、新たな人的な繋がりを生み出しています。

その他、各自治会単位での見守り、敬老会、救急情報シート普及、健康チャレンジ、子育てサロン支援など、多岐にわたる事業を実施しています。

今後は、移動手段を持たない方への移動支援や、高齢者サロンのない地区への出張サロンの実施、そして孤独になる前の早めの繋がりづくりなど、複雑化する地域課題に対応するための仕組みづくりを重点的に進めていく計画です。

 

白須賀地区のよさを生かしながら、人のつながりを広げていく地域づくり

  白須賀地区自治会連合会(湖西市)

白須賀地区自治会連合会は、少子高齢化と人口減少による自治会活動の持続困難への危機感から、組織と活動の抜本的な見直しを実施しました。目標は、自治会活動の必要性を再認識してもらい、住みやすく安心安全な地域を維持することです。

1. 組織と運営の改革

役員の多忙化を解消するため、総会を1日に短縮し、役員会も回数を減らしてレジュメ活用で効率化を図るなど、役員の負担軽減を最優先に組織を修正しました。

2. 楽しく集うイベントの実施

活動の閉塞感を打破し、住民が多く参加したくなる「楽しいイベント」を企画しました。準備スタッフの負担を最小限に抑えつつ実施した結果、「サマーフェスタ」には700人が参加、「地引き網体験」「健康ウォーキング」も盛況でした。これらの交流を通じ、住民は「地域のよさと繋がりの楽しさ」を実感し、安心安全な地域づくりにつながっています。

3. 地域総力体制の構築

自治会活動だけでは対応できない複雑な地域課題(空き家、防災等)に対処するため、自治会連合会を中心に様々な団体や若い世代を結集した「シラスカ協議会」を発足。全住民の力を借りて、地域の発展と活性化を推進する体制を構築しました。

今後は、ドローン体験などの新規事業も取り入れ、さらに白須賀地区自治会連合会の専門部としての白須賀地区福祉協議会の活動の充実を図るために、湖西市社会福祉協議会と協力して、白須賀中学校区支え合い会議を年間4回実施し、地区民の福祉活動の向上を目指しています。

 

優良賞受賞6団体紹介

相互の協力と信頼によって、健康で明るく、住みよい地域づくり

沼津市第五地区コミュニティ推進委員会 (沼津市)

第五地区コミュニティ推進委員会は、地区住民が相互の協力と信頼を深め、健康で明るく、住みよい地域づくりを進めることを目的に活動しています。平成20年度に活動拠点として第五地区センターが整備されて以降、コミュニティ活動のさらなる充実に努めてきました。

当地区は市内中心部に位置する立地と、小学校から大学まで10校が存在する文教地区という二つの大きな強みを持っています。この特性を最大限に活かし、各種団体と連携しながら幅広い事業を推進しています。

行事・イベントとしては、全世代が交流できる「ふれあいの集い」「新春の集い」「新春餅つき大会」といった地域住民の絆を深める活動を実施しています。また、社会福祉協議会と共催で「健康づくりの集い」「音楽鑑賞の集い」などを開催し、高齢者や親子のふれあい・共助の輪づくりを促進しています。さらに、「新任自治会長研修会」を通じて市職員による説明や先進事例の共有を行い、自治会組織の強化と情報共有を図っています。

特に、地域の将来を担う子どもたちの育成事業に力を入れており、教育機関との連携は多岐にわたります。学校と協力し「コミュニティスクール」として職業講話や学習支援に取り組むほか、生徒向けの「防災スクール」も開催しています。こうした日頃からの協力・連携体制により、「ふれあいの集い」など地域行事の際には、児童・生徒がパフォーマンスや展示、売店運営に積極的に参加し、コミュニティと学校が相互に協力し合える強固な関係を構築しています。

 

地域の絆を結び 楽しい いきいきふれあいサロン

  ふれあい塾本村下(裾野市)

地区の老人会が解散し、高齢者の居場所づくりのサロンの必要性を感じ平成20年7月に開講。

事務局体制を組織し役割分担を明確にすることで、円滑な運営基盤を構築しました。この体制のもと、サロン活動を毎週定例化(遊友会、健康体笑、茶話会)し、参加者へ継続的な交流の場を提供しています。特に「茶話会」では、一人暮らしの高齢者の生活に直結するよう、防犯、健康、介護、福祉といった実用的な情報を、行政機関と連携しながら提供することに注力しました。

苦労した点としては、「茶話会」の男性参加率が約1割と低かったことが挙げられます。これを克服するため、コミュニティカフェ「遊友会」では、男性に給仕という役割を担ってもらい、さらに麻雀、将棋、囲碁といった男性が好む娯楽を用意することで、男性参加者の増加に成功しました。また、輪投げを活性化させ、市のレクスポ大会に3チームを出場させるなど、スポーツ活動の成果も出ています。

さらに、令和5年度の夏からは「ゆうゆうカレー食堂」を新たにスタートさせました。この食堂は子どもたちを呼び寄せ、多世代の区民交流を図る場となり、毎回90名もの参加者を集める主要な活動へと成長しています。

みんなで広げよう中山下区の福祉の輪「とびだそういっぽ」

 中山下区地域福祉推進委員会 (御殿場市)

当地域では、2005年頃に一旦消滅した地域福祉活動を、2014年の「元気になろう会」から再スタートさせました。その後、2016年に「子育てサロン」、2018年には「居場所づくりふらり中山」を立ち上げ、地域の高齢者や子育て中の母親たちが孤立しないよう、多世代にわたる継続的な居場所づくりを目標に活動を展開しています。

「元気になろう会」(毎月第3金曜日)では「3776体操」をはじめとする筋力トレーニングやレクリエーションを通じて、健康長寿を目指しています。無理なく体を動かせるよう細やかな配慮を心がけています。

「子育てサロン」(毎月第2水曜日)では、ママたちが孤立せず地域で元気に子育てができるよう、手作りおもちゃ、季節の行事、読み聞かせ、誕生会、幼児体操などを実施しています。特に、お子さんと親御さんが毎回楽しめるよう、月ごとに異なる読み聞かせやおもちゃ作りを企画し、年度末の卒館式など特別なイベントも行っています。

「居場所づくりふらり中山」(毎月第1・3水曜日)は、脳トレやハンドベル、小物作りといった活動を通じ、参加者が楽しくおしゃべりできる団らんの場を提供しています。男性には囲碁を楽しんでいただくなど変化をもたせています。特に第1水曜日は有料で昼食を提供しており、皆で一緒にご飯を食べる楽しさを体験していただいています。

これらの活動の結果、ご近所でも知らなかった人同士が知り合うきっかけが生まれました。子育てサロンはママ同士の情報交換の場となり、ふらり中山では孤食の解消に貢献しています。また、体操を通じて身体が丈夫になり、外出がしやすくなるなど、住民の心身の健康と地域交流の輪が広がっています。

 

災害時に要配慮者支援が機能するよう平時から住民同士で支え合える地域づくり

  西豊田学区地域支え合い体制づくり実行委員会 (静岡市)

2011年と2014年に静岡市障害者協会が主催した宿泊防災訓練への参加をきっかけに、「この活動をイベントで終わらせてはいけない」という地域住民と専門職の強い思いから発足しました。

メインテーマは、災害時の要配慮者支援を目的とした、福祉と防災が連携するインクルーシブ防災活動です。その目標は、支援が災害時に確実に発揮されるよう、平時から住民同士が支え合う地域支援体制を構築することにあります。この活動は、会の単独ではなく、自治会、民生委員、学校・PTA、行政、社協、福祉施設など、多岐にわたる機関の参加と協力を得て、強固なネットワークを年々広げながら推進されています。

今年度で10年目に入った本活動は、単なる年一回の防災訓練に留まらず、福祉防災セミナー、防災ワークショップ、そして実践的な参加型訓練(避難所運営訓練+宿泊体験)や要配慮者支援シンポジウムなど、多角的なプログラムを実施しています。「楽しく、主体的に、みんなで」を合言葉に、毎年内容をバージョンアップさせ、夜間のリアルHUG、親子避難所キャンプ、防災かまどベンチづくりといった新しい取り組みも積極的に取り入れています。特に、コロナ禍で地域訓練が中止・縮小される中、「災害はコロナを待ってはくれない」という認識のもと、感染症に対応した避難所設営訓練を継続しました。

西豊田学区は静岡市内で最も人口が多く、住民層の多様化が進む一方で、自治会役員の高齢化や担い手不足、住民間の関係性希薄化という課題も抱えています。そのため、平時からの支え合い体制づくりは大きな挑戦です。私たちは、実践的な訓練の前後でセミナーやワークショップを取り入れ、防災・減災の出発点となる問題意識の向上にも力を入れています。学区全体の防災訓練が途絶える中、本団体主催の訓練には、単位自治会や地区民児協、地区社協が積極的に参加し、活動を支える中核となっています。

 

地元の財産を地域住民の手で守り育てよう

  牧之原公園マルシェ実行委員会 (島田市)

2014年、金谷コミュニティ委員会が主催した「金谷の魅力発掘コンテスト」での提案をきっかけに活動を具体化し、2015年度に牧之原公園を「日本夜景遺産」に認定登録させました。これを受け、2016年度に公園管理者である島田市による公園再整備が実施されました。

再整備後、地元の財産を守り育てることを目的に、金谷コミュニティ委員会の地域振興部会内に「牧之原公園マルシェ実行委員会」を組織し、活動を本格化させました。

主な活動実績として、2017年6月から毎月1回の「牧之原公園マルシェ」を定例化し、音楽ライブや地元農産物、手作り品の販売が定着しています。また、夜景遺産認定を記念したイベントは毎年夏の恒例行事となり、今年度で第10回を迎えます。さらに、島田市の天然記念物であるカタクリの花の保護と連携した**「カタクリ祭り」**を毎年3月末に開催しています。

公園の保全活動にも注力しており、休眠していた「富士見茶屋」の活用、ハートマーク付き「富士見の鐘」の製作・設置、説明看板の作成、草取り・ゴミ拾いなどを行っています。市からは休眠施設の利用許可や、公園の愛護活動委託(費用助成あり)を受けるなど、行政と密に連携しつつ、住民の自主的な活動を最重点に推進しています。

この活動は地域に大きな成果をもたらし、2017年度以降、「牧之原公園マルシェ」を基盤として、「金谷特産品マルシェ」「お茶のまちカフェ」「仲人工房(婚活支援)」など、多様なアイデアを形にする取り組みが次々と地域に波及しました。現在、公園はバンド演奏やダンスの発表の場として定着し、住民の憩いの場として広く認知され、新たな地域活動展開の芽が生まれています。

 

あなたのわくわくがきっとみつかる

一般社団法人MIYAKODA(浜松市)

一般社団法人MIYAKODAは、2012年の新東名高速道路開通とスマートIC設置を契機に発足した「都田わくわくし隊」を前身とし、2021年に設立されました。都田・新都田地区の発展と活性化を目指し、現在、地域の49事業者(農・商・工)が連携して幅広いまちづくりに取り組んでいます。

【地域活性化活動】 当法人は、地域のお店や観光地を紹介する「都田わくわくMAP」を毎年出版し、地域の魅力を発信しています。また、はままつフルーツパークや都田総合公園などで、グルメや体験が楽しめる「マルシェ」を毎年開催し、来訪者の増加に繋げています。さらに、地域住民が参画する「都田春まつり」の開催や、市から借り受けた「滝沢キャンプ場」を年間を通して運営するなど、地域の場を活用した活動を広げています。

【教育活動と地域貢献活動】 将来にわたり都田に残ってもらえるよう郷土愛を育むため、学校と連携し、小中学校へ地域で活躍する人を紹介する「夢授業」の講演や社会見学の受け入れを行っています。また、毎月開催する地域美化ボランティア「都田ゴミニケーション」では、環境への関心を深めるとともに、住民間の新たなコミュニケーションとコミュニティ創造に貢献しています。

【活動の工夫と成果】 活動においては、ジャンルの異なる事業者同士が意見を出し合い実行に移す点や、地域のリアルな声に耳を傾け、双方にとって良い環境づくりと継続性を図ることに時間をかけています。定期的なイベントや美化活動を通じて、事業者と地域住民の「顔と想い」を繋げる努力を継続しており、その結果、地域の活性化、子どもたちの郷土愛の育成、そして新たなコミュニティの創造という具体的な成果を生み出しています。

 

奨励賞受賞5団体紹介

地域の文化財を保存し、その伝統行事を次世代へ!! ~「天地」を、みんなで守り、みんなで後世に伝えよう~

 函南間宮天池を守る会(函南町)

天池地域は近年、新居住者の増加とニーズの多様化により、住民間の繋がりが希薄化し、地域の連携が弱体化するという課題に直面していました。この状況を打開するため、地域にある文化財**「天池」の保存と活用、特に例大祭の継承**を通じて、人と人との繋がりを再生し、地域の連携強化に貢献することを目的に「天池を守る会」が結成されました。

活動開始当初は、「天池」が文化財であることをどう知らせるか、例大祭継承の意味をどう理解してもらうか、そして具体的にどう継承していくか、といった課題に直面しました。

これらの課題を克服するため、「天池を守る会」は情報発信と普及活動に力を注ぎました。具体的には、「天池誌」および「写真で見る天池誌」を発行し、さらに**「天池の歌」を作成**し、歌を通してまず文化財の存在を「知ってもらう」ことに重点を置いて、例大祭を盛り上げました。

これらの地道な取り組みの結果、大きな成果が見られました。年3回の例大祭への参加者が増加し、特に新居住者、若い夫婦、子ども連れといった新たな住民層の参加が目立つようになりました。また、活動を通じて文化財「天池」への理解が深まり、神社や伝統文化への関心が高まるなど、当初の目的であった地域の繋がりと連携強化が実現しつつあります。

傾聴ボランティア活動を通して明るく平和な地域づくりに貢献する

 傾聴ボランティア ほっとスペース♡みみい (裾野市)

本団体は、以前に傾聴活動を行っていた者たちが中心となり、現代社会において傾聴の必要性が高まっているという認識から発足しました。高齢者への傾聴を実践するとともに、その大切さを家庭や地域社会に広めることを目標に掲げています。

活動の第一歩として傾聴学習会を開催し、傾聴の心得や技法を学ぶことから始めました。その後、3年間にわたる「傾聴ボランティア養成講座」を開催し、62名の受講生を輩出するなど、組織基盤を強化しました。

具体的な活動実績として、令和6年度末までに高齢者施設7か所、個人宅2か所への傾聴訪問を延べ400名以上に行っています。また、話を聴いてほしい人のための居場所として**「ほっとスペース」を月1回開設し、多くの来場者を受け入れています。令和7年度からは、県営住宅集会所や市内中学校**での傾聴活動、市の民生委員を対象とした学習会などを追加し、活動範囲と対象を拡大しています。さらに、同年5月には市民対象の傾聴講演会を開催し、178名が参加するなど、地域への普及活動にも力を入れています。

会員は、学んだ傾聴技術を現場で実践できるよう、毎月の定例会で事例検討会を実施するなど、継続的な研鑽に努めています。また、多くの会員がいる中で意思疎通を密に図り、活動を受け入れてくださる団体への働きかけにも努力を重ねてきました。

その結果、発足当時は「傾聴」という言葉を知らない人が多い状況でしたが、会員それぞれの地道な努力により、今では日常生活の中でも傾聴の大切さを意識する方が増えてきました。このことは、講演会のアンケートからも実感できる意見が多く寄せられています。また、訪問先の施設からは、傾聴後には利用者さんが喜び、穏やかに過ごせているという高い評価を得ており、活動が確かな成果を上げていることが証明されています。

 

小坂町内における親睦と賑わい創生及び長田南学区の地域振興に貢献する

 わっしょい小坂 (静岡市)

静岡市長田南地区に位置する小坂町(人口913人、243世帯)では、近隣の用宗などの賑わいに触発され、「小坂にも住民が心から楽しめるきっかけを生み出したい」という思いから、自主的な地域活性化活動が展開されています。

活動は、地域活動への参加と住民の交流を深めるイベント企画で進められています。具体的には、町主催の公園草取りへの参加に加え、自主的な小坂川土手の草刈りを実施し、美しい景観の維持に努めています。

イベント企画では、毎年恒例の小坂盆おどり小坂年末朝市、そして小坂川河津桜を愛でる会などを開催しています。特に盆おどりは、帰省中の若い世代の同窓会の場となったり、市外からの踊りの参加者も来場するなど、地域外との交流を生む重要な役割を果たしています。また、周辺地域との連携も図り、「用宗駅舎さよならの夜祭り」へも積極的に協力参加しています。

活動の推進力は、月一回程度のミーティングで、メンバーが自由な意見を出し合い、各自の得意分野を活かして行動に移す主体的な運営スタイルです。広報面では、チラシや回覧板に加え、SNSを積極的に利用することで、広範囲に情報を届けています。

しかし、活動資金が少なく、特に盆おどりなどの大規模イベントの費用は協賛金に頼らざるを得ないという資金面での課題も抱えています。

小坂町では、これらの活動を通じて、地域に新たな活気と交流を生み出し、「主に小坂町内、長田南地区」における住民のつながりを強めています。

子どもたちに夢と勇気とやさしい心を/次世代へGO!GO!おやこ劇場の輪

 清水おやこ劇場 (静岡市)

清水おやこ劇場は、地域と家庭とのつながりの希薄化が社会課題として認識され始めた時代背景を受け、1971年に「子どもたちに夢と勇気とやさしい心を」という願いを込めて誕生しました。以来50年以上にわたり、地域の子どもたちの豊かな成長を支え続けています。

活動の柱は、**「観ること(例会)」「体験すること(自主活動)」**の二本です。

例会では、会員のアンケートに基づき選定された質の高いプロの劇団による様々なジャンルの舞台を、年に3〜4回鑑賞します。1971年の第1回公演から数えて、これまでに主催した舞台は274本に上ります。単に観劇するだけでなく、会場の飾りつけや搬入・片付けといった裏方作業も会員が担い、劇団と会員が一体となって一つの作品を作り上げる協働の場となっています。

一方、自主活動では、スケートや料理教室、地域の祭りへの参加など、普段の生活では難しい体験を企画・実施しています。企画から準備、当日まで子どもたち一人ひとりが主役となり、遊びを創造することで、学校や地域、年齢を超えた仲間との交流を通じて主体性とコミュニケーション能力を育みます。

コロナ禍においても、感染対策を徹底し活動を継続。会員制の安心感から参加率は高く維持されましたが、口コミで広がっていた新規入会の輪が縮小していることが現在の課題です。

清水おやこ劇場は、幼少期から生のパフォーマンスに触れる機会を提供することで、子どもたちの豊かな感性を育み、家庭内や習い事だけでは得られない新たな気づきと発見、そして多様な人間関係を築く力を提供し続けています。

 

 

オール竜洋で安全で安心して暮らせる地域づくりを推進します。(防犯・交通安全包括マップを作成)

 竜洋住みよいまちづくり協議会 (磐田市)

竜洋住みよいまちづくり協議会では、子どもたちの安全・安心の確保を最優先課題とし、令和5年度より通学路への防犯カメラ設置を進めています。このカメラをより効果的に設置するため、不審者情報、交通事故発生箇所、そして関係機関の安全対策を可視化する「通学路防犯マップ」の作成に取り組みました。

協議会は、令和5年度から4年間で、各学校区に1台ずつ計16台の防犯カメラを設置する計画を策定しています。令和6年5月、このカメラを効果的に設置するため、防犯マップの作成が決定されました。

安全安心部会長を中心に、関係機関から不審者や交通事故の情報を収集したほか、自治会長、小学校教職員、そして実際に通学する児童・生徒からも危険箇所の情報を直接聞き取り、多角的な視点から防犯マップを作成しました。

完成した防犯マップは、単に防犯カメラ設置の検討資料として活用されただけでなく、全自治会・小中学校に配布され、地域住民や児童生徒への危険箇所の周知と啓発に役立てられました。

さらに、このマップに基づき、学校教職員、市役所、警察、協議会が学校区ごとに通学路の現地確認を実施。危険な状況を関係機関全体で共有することができ、危険度の高い箇所については、総意をもって警察および市・県へ改善対策実施要望書を提出しました。この活動の結果、要望書を提出した箇所のうち、3つの危険箇所で実際に改善対策が実施され、地域の安全・安心に大きく寄与することができました。

 

審査総評 (望月誠一郎審査委員長)

本年度の活動賞は9市1町14団体の応募があり、別掲のとおり優秀賞3団体、優良賞6団体、奨励賞5団体となりました。

審査は、各審査委員が審査基準に基づき応募資料を事前に評価し、審査会において、その結果を踏まえて意見交換を行い、慎重に審議されました。審査委員からは、いずれの活動団体もレベルが高く、評価に差を付けるのが難しいという声が多く聞かれました。

本年度は、安全、安心で元気な地域コミュニティの構築に向けた自治会、防災、サロン、お祭り、イベント、地域活性化などに新発想で再構築して取り組む活動団体から多くの応募をいただきました。また、日本の新首相に女性がなられたように、女性をリーダーとして頑張っている活動団体が多く見られたのも特徴でした。

審査においては、地域住民の困りごとを地域住民が助け合う仕組みを構築し、その活動を通じて高齢者の見守りにもつなげている「青島第8助けあいの会 はちすけ(藤枝市)」、現在の住民の課題を聞き、その解決に向けて子どもや学生及び男性高齢者など、性別、年代を超えて楽しく参加できる企画や廃校利用などの事業に取り組む「向笠社会福祉協議会(磐田市)」、自治会活動の役員の負担を少なくする改革や白須賀地域の本当の良さを知る事業により地域に住んで良かったと思える地域づくりに取り組む「白須賀地区自治会連合会(湖西市)」などが、審査委員の高い評価を得ました。さらに、都市部における防災福祉、コミュニティカフェ、子育てサロン、地域のコミュニティセンターを中心とした活動の継続、地域の誇りとなる町中の公園の活性化に取り組む活動を実施している団体が高い評価を受けました。また、個人事業主が主体となり地域で活躍する農業、商業、観光、金融、学業などのジャンルを超えて組織した「(一社)MIYAKODA(浜松市)」には、今までにない新しいコミュニティづくりの担い手としての可能性に期待する声も多くありました。

一方、審査の過程で、応募団体の活動の年数や内容としてはとても高い評価を得たものの、コミュニティ活動賞の審査基準である活動範囲が中学校区を対象として地域住民や自治会等と連携して地域のコミュニティづくりに貢献している様子が見えない(説明不足)として、高い評価が得られなかった状況もありました。

次年度以後も、県下各地のコミュニティ活動団体が、地域コミュニティの強化と課題の解決に向け、知恵と工夫を駆使しながら、これまでにない新たなチャレンジ精神のある活動に積極的に取り組まれ、本「コミュニティ活動賞」に多数応募されることを期待しております。

 

表彰式:「コミュニティ・フォーラム2026」の席上

とき:令和8年2月7日(土) 会場:プラザおおるり(島田市)

 「あしたのまち・くらしづくり活動賞」への推薦

 公益財団法人あしたの日本を創る協会が全国規模で募集している「あしたのまち・くらしづくり活動賞」に、優秀賞受賞団体を本県から推薦する。

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