地域の伝統「ゆいねんさん」をみんなで守ってます
情報通信員:勝亦智子
唯念寺世話人
郷土芸能、伝統行事地域文化活動 小山町
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代表者名
池谷幸一さん
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開催月日
年 5回 4/13・7/15・7/28・8/16・12/15
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開催場所
小山町上野 滝沢山唯念寺
155
号
趣旨・目的
江戸時代から明治にかけて、念仏の為には身命を惜しまず、人々の凶難を救って尊ばれた唯念上人の遺徳を偲び、唯念寺を守り、伝統行事として例祭を続けています。
活動内容
小山町上野地区では、唯念寺にて修行を重ねると共に、村々を行脚して仏の道を説きながら、人々の難を救い、幸せのみを願っていた唯念上人の遺徳を偲び毎年例祭を執り行っています。唯念上人は乞う者に「南無阿弥陀仏」の名号や「火伏の龍」を書き与えました。名号を石に刻んだ「南無阿弥陀仏の石碑」が県東部近隣だけでも約170基あり、唯念上人が行脚巡行した場所は今でもうかがうことができます。
この例祭に、各地から多くの人が歩いてお参りに来た時代には、地区の世話人さんの家に泊まっていったそうです。現在は、各班から唯念寺世話人を出し老人会、婦人会と共に地区行事として行っています。
例祭の当日は、地元のお年寄りや参拝者が、唯念寺御詠歌を33番まで一時間ほど唱和してから、毎年来ていただく東京芝増上寺のお上人に読経をあげて頂いています。
その後、世話人の奥さんや婦人会役員の手作りのお料理を参拝者に振る舞います。
今の時代、何でも買えるのですが、事前に打ち合わせをして色々手のかかった「このお料理」が毎年大好評!「皆さん美味しい美味しいと残さず食べてくれるので、大変ですが作り甲斐があります」とのこと!数年前までは、公民館に婦人会員が集まり、何百個かのおにぎりも手作りしていました。年々お参りに来る人は 少なくなっていますが、参拝者の方は「ありがとう、来年も来させてもらうので宜しくお願いします」とお礼を言いながら帰っていかれます。
活動の特徴
唯念寺では、4月の例祭の他、百万遍念仏・不動尊念仏・奥の院念仏・最終念仏の年4回念仏講も行われています。
平成22年の台風で開山堂は酷い被害に遭いましたが区民により復旧されました。
御詠歌本(明治41年頃作)も姑がずっと使い続けて古くなったものを、嫁が新しく作り直し地域の人に印刷代のみで必要な人に分けることもありました。親から子に姑から嫁に、唯念さんの行事がずっと引き継がれています。
地元では「唯念さん」と親しまれていますが、今は主のいないお寺を地域の人々で明治の時代からずっと守り続けていること、色々な所に建てられている名号碑を多くの方に知って頂き興味を持ってもらいたいと思いました。